ANOTHER 感想メモ

 

ANOTHER〜新たなる冒険〜

その名に相応しく関西Jr.にとって、Lilかんさいにとって、新たな船出を迎える舞台だった。
毎公演メンバーが日替わりで挨拶をしていたが、ほぼ毎回ANOTHERや松竹座の歴史について触れられていた。偉大な先輩が主演を務めて、長くオタクに愛されてきた作品。そのなかで自分たちが主演を務める責務。入所からお世話になっている松竹座さんで一列目に立つ覚悟。お兄ちゃんたちもいたけど、小さい子たちをまとめなければならない挑戦…。Lilかんさいが舞台で主演を務めることは関西Jr.にとっても新しいことだった。

2回も見学に来てくれた末澤くん、プロデュースの大倉くん、「ジャニーズの伝統的な舞台やった」と言ってくれた西畑くん、外部舞台を控えるなか来てくれた今江くん、ちゃっかり一緒に来たビジネスシンメ丈橋………。その他にもたくさんの子達が出演しない松竹に足を運んだ。公演期間中はお兄ちゃんたちに甘えられなかったかもしれないけど、愛されてることに変わりない。

 

さて、2回観ただけですがいろいろ考えたことがあったので記録しておこうと思います。以下めちゃめちゃネタバレしますしグチャグチャに書いているので、嫌な方いたら閉じてください!笑

 

 

 

 

 

 

 


0.
暗くなった松竹座に突然鳴り響く壮大な「旅人」。金管楽器の力強い音や、ベース楽器から前に前に悠々と進む船のような印象があった。その船を受け入れるハーブは煌びやかな海の情景を連想させた。その波に乗るLilかんさいの歌声。この物語によって、広大で青々と美しい海へとLilかんさいが進んでいくのだろう。

 

 

遠くで誰かが今 僕を呼んでいる気がする
特別なココロで あてもない旅に出かけよう

 

 

人生にはあてはない。未来なんてわからない。だけど、誰かが今、どこかで呼んでいる。だから生きろ。その人を探すことができるまで。その人が夢を託したから。その人がまた彼に逢うため。その人が家族に会うため。その人のために生きる。誰かのために旅に出る。この曲は彼らの全てを物語っている。

 

 

 


以下、フウガ中心に観てた人が気になったところ。

 

1.ウラの死

ウラが秒で死ぬ。弟を守るために。幼い頃から施設で一緒に暮らしてきたタクヤはウラを救うため手を伸ばすが、思い虚しく手は解ける。"家族"がいなくなってしまうことに不安と絶望とやるせない気持ちを爆発させ、叫ぶタクヤ。そんな彼を生かすために必死に船の中心へと戻そうとするフウガ。しかし、タクヤはウラだけをずっと見つめる。もうウラ以外愛せない状態のタクヤタクヤ・ウラ・アオイ/コースケにとって最大の悲劇〜序章〜である。

 

後、島でみんながしょんぼりしている際にフウガが言った「言霊や!信じれば必ず叶うんや!」的なセリフにつっかかり、タクヤがウラへの気持ちを爆発させる。

タクヤの目を見ず背中でその言葉を受け入れるフウガ。基本的にフウガは相手の目を見て話をする人だ。加えて、「なんや、、、その、、、」しっかりと言葉にして謝らないフウガ。明らかにウラのことで葛藤し、生きる気力を失っているタクヤに対し、「ごめん」と素直に言葉に出してしまうことを避けるフウガ。自分がタクヤを生かすために動いたことについての申し訳なさと、それでも生きてほしいと強く思う気持ちが感じ取れた。

フウガは少し不器用なところがあるけど相手に寄り添えるとっても優しい子だった。でもそれだけなのかな…とも思った。人一倍仲間想い、仲間のために自分を後回しにする。そうなんだけど、フウガも何かを抱えて生きているのかもしれないなと思った。(あんまり自分語りしていないので、よくわからないけど)

 

2.フウガのバンダナ

トアが目覚めたシーン、助けを求めるシーンなどで登場するあのバンダナ。あれは何だったんだろう。怪我をした時に包帯代わりにするためなのか。ハンカチ代わりとして持っているのか。いろいろ考えたが、私の結論は「お守り」だった。

島長の話を聞く時、胡座でいる。マイペースなだけなのか。もし、バンダナがお守りだとしたら。バンダナがオレを守ってくれる、という強い意志があるのかもしれない。(実際はわからないけど)

 

3.アオイ/コースケの死とレクイエム
「生きろ」と誓い合い、「明日はいいことがある」と勇気づけあった翌日の現実がこれ。現実はどこまでも憎く、彼らの心を蝕んでいく。どこに向ければいいのか、わからない悔しさをそれぞれが共有しあう。最低な状況で絆が芽生える、人間の汚さみたいなものも感じられる。(これは私が曲がった見方をしているから笑)

そんな時、リストバンドの変化に気づくフウガ。フウガは人のことをよく見ている。そこでウラとアオイ/コースケを弔うために始まるレクイエム。赤い布がウラのリストバンドを彷彿とさせる演出。生死の狭間に立たされ、葛藤する彼らは、むしゃくしゃした気持ちを表現するため走る。その後「どうして枯れてしまいそうな」で布を投げてキャッチする場面。ウラとアオイ/コースケ(赤いリストバンド/布)が触れられないところ(あの世/投げることによって手元を離れた)に行ってしまったけれども、キャッチすることで仲間たちの記憶(手)のなかにしっかりと刻まれている、という表現だろうか。美しい表現だなと思った。


4.タクヤ【家族との関係】 

ウラとアオイ/コースケが家族という割にはウラが死んだ時の方が焦燥感がある気がする。(主観)手を離してしまったことに、自分に対しての憤りがあるからこそなのか。物語で一貫して「オレの家族はウラとアオイだけだから」なタクヤ。しかし3人は"家族"であるが、血は繋がっていないとわかるのが崖の上のシーン。

 

タクヤ「ごめん、オレのせいや。情けないよな。たった1人の親友なのに。」
アオイ/コースケ「なんで、なんで兄ちゃんが…」

 

【ウラとタクヤ
ウラとタクヤの関係性がどこまで深いものなのか。描かれていないのでわからない部分が大きい。私はこの2人の関係性がまじでわからない。タクヤはウラに依存しすぎてる部分がある。一緒にいる時間が長かった、同じ境遇だったから…それだけではない気がする。過去に何か大きい出来事があったんだろう。
【アオイ/コースケとタクヤ
タクヤは2人のことを家族だと思っているが、恐らくアオイ/コースケは違う。たくにぃ、そうはいうけれど家族という認識は薄そうだなと思った。(((話変わるけど、何で兄ちゃんだけ「ウラ」?「リクト」だと「リク」(おっさん)との区別がつきにくいからなのかな。下の名前で呼んでくれる人いないのかよ、と全細胞でつっこんでいた。いや、これは本人の希望なのかもしれないね。親となにがあったのかわからないけど。)))
【2人の死と生きるタクヤ
ウラの方が焦燥感は強いものの、アオイ/コースケの死に対しても悲しみが積る。愛おしそうにアオイ/コースケの手を握りながら顔を見つめるタクヤ。泣いてはいるが、ウラの時よりは落ち着いている。(疲弊しているのかもしれない)「オレのせいや!ウラに頼まれてたのに!」「呼ばれたんやろうな…アイツいつもコースケ/アオイのこと心配してたから」ここのセリフは全て、直接コースケ/アオイじゃなくて、ウラを通してる。

結局、タクヤにとってはウラの存在が大きすぎたタクヤ自身、それには気づいていないから怖い部分もあった。  

 

6.トアの影ナレ

「若者たちよ、生きろ」はタクヤを始め、生きる希望を失いかけている人に向けられている部分がかなり大きいのではないか。「生きろ」の部分が優しくて、でも力強かった。「生きろ」って生きたいと元より思っている人にかかる言葉ではない。だからこの言葉は生死と向き合う人に向けた言葉だろう。生に執着し、死に向き合うトアの言葉は重みがある。加えて、島を出る時に長が言う「生きろ、未来の若者たちよ!」と似ているフレーズだから、親子関係の強調もされていると思う。

また、物語が始まる前は「あの日、あの時〜ボクたちの全てを飲み込み」と言ってることから、トアの先祖が言ったことではないかと考える。一方、最後は「あの島で過ごした」と言ってるので確実にトアの発言だ。これは物語の前後でトアが被爆者側と自覚したことがわかりやすく描かれているなとも思った。嫌でも線が引かれてしまった。でもそれを受け入れ、生きる覚悟をしたトア。どうか、幸せになってほしい。

 

 

7.フウガは横暴で明るい人なのか。

先述したが、フウガは仲間を一人ひとりよく見ている。皆が落こんでいる時に明るく声をかけ、戦うシーンでは先頭に立つ。仲間を守るために。仲間と生き残る、仲間を生かす意思を強く感じさせる。"仲間"を大切にしているのがよくわかる。タクヤが寄り添うタイプの人であれば、フウガは引っ張るタイプの人だ

 

「生きてるよ。ウラ以外はな。」「なぁトア。オレたちこの島であと何回大切なものを失うんや。」

 

基本的に前向きでいるフウガ。だが、トアに対してはフラットな気持ちで接してる。(2人のシーンが少ないから関係性は深くわからないけど。)フウガはトアにだけ、本当の自分・弱い面を見せることができるのかもしれない

 

8.フウガとあの島の住人

島について沈黙を守るかどうか聞かれた際に「誓わない」(正しくは声には出してない)。心の中で誓っているのかもしれないが、人間の本心はわからない。

加えて、島を離れる際に頑なに手を振らないフウガ。手を振ることは別れを意味する。いつまでもオレはオマエのことを・島の人のことを忘れない。これは永遠の別れじゃない。ってことなのかなと思った。

 

f:id:IllIl_f:20210403190708j:image

 


以上。5月も無事に大千穐楽まで走り切ることができますように!Lilかんさい進級おめでとう!A MY GIRL FRIENDを歌ってください!(どさくさ)

 

 

 

 

P.S Lilかんさいのクリエ行きたい。(切実な願い)